ハゲ・薄毛を「魅せる」社長の日記

美薄毛研究家・劣等感マーケターの松本圭司が日々感じたこと、考えたことを不定期に発信中!

個人と組織が面白くなくなるメカニズムについて考えてみました③

前回のこのテーマでは、今の就職人気ランキングを見る限りにおいては、昔も今も大抵の学生は、世の中に何の仕事があるのか、自分が何をやりたいのかも分からないまま、流されるがままに就活に突入し、結局のところ可能な限り「条件の良い」「見た目の良い」会社に入ろうとするのだろうという話をしました。

無事就職戦線を勝ち抜き、内定を勝ち取ったとしても、新卒で入社した会社でいきなり、したい仕事をさせてもらえる部門に配属されるとは限りません。むしろ、その確率は低いものでしょう。出来ない、させてもらえないんだって時になって初めて「あれ?」と思うわけです。働いている社会人なら誰でも知っている、テレビ局が制作部門だけで成り立っているのではなく、人事や経理や総務など、どこの会社にでもある部門に配属されることだってある。

たまたま入った会社であっても、その会社のやっている事業活動の中で興味関心が持てそうな仕事をやりたいと思って(思い込ませて)いたのにも関わらず、それが出来ないってことが分かる。その時になって初めて職に就くための活動=就職活動ではなく、会社に就く活動=就社活動をしていたのかと気づくわけです。

「好き嫌い」「向き不向き」ではなく、「損得」「出来る出来ない」が判断の中心軸となってから、既にこの時点で10年近くが経過しているはずです。

「損得」「出来る出来ない」で仕事を選んでしまった挙句、更には組織の都合に振り回され始めると、もうそこからは修行の連続です。嫌いとまでは言い切れない“かもしれない”、向いていないとは言い切れない“かもしれない”、アポなし訪問、社内飲み会の幹事など、それも仕事の一部と言われれば仕事のうちでしょうが、「好き」や「向いている」から大きく外れたことをし続ける生活が続くはずです。

そんな生活にもいつかは慣れるものもあるでしょうが、いつまで経っても慣れないものもあるでしょう。そして、この環境に置かれて初めて「やりたい」ことは分からなくとも、「やりたくない」ことくらいは分かってきます。やりたくない以前に、「退屈」な時間が楽しいと感じる時間を大きく上回る状況が続き、下手をしたら体調を崩す、精神的に病むなんてこともざらにあるはずです。

しかし、これも「喉元過ぎれば熱さを忘れる」じゃないですが、ある程度の規模感のある企業であれば定期的にジョブローテーション(定期異動)があるでしょうから、やりたくないこと、向いていないことから解放される場面が出てきます。そうすると、「こなす」「やり過ごす」という技を身に着けていき、とりあえず次のローテーションが来るまで、自分に合わない仕事や上司と適当に付き合うことで時間が経つのをただ待つということが起きがちでしょうし、実際そうしているサラリーマンなんかきっとごまんといるはずです。

ってこんなことを書いているこのタイミングで、Yahoo!ニュースでこんな記事を目にしました。

東大院出てもUターン就職。東京より地元、転勤より家族、就活しない……親世代とは変わる優先順位(BUSINESS INSIDER JAPAN) - Yahoo!ニュース

ひょっとしたら、未だに就職人気ランキングが30年前のそれと大きく変わらない一方、自分の好き嫌い、向き不向きを理解し、損得で判断しない若い世代も現れているのかもしれません。