ハゲ・薄毛を「魅せる」社長の日記

美薄毛研究家・劣等感マーケターの松本圭司が日々感じたこと、考えたことを不定期に発信中!

『 逆行マーケティング』を見極める

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先日は身体的コンプレックスのマーケティングアプローチとして、逆行、公式美・公式機能、順行、新価値提案の4種類が存在していることを書きました。

 

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身体的コンプレックスのマーケティングアプローチ©松本圭司

 

身体的コンプレックスに関わるマーケティングが行われるのは、コンプレックスを感じている「いずれかのマインドステージにいる当事者」を逆行、公式美・公式機能、順行、新価値提案のいずれかのマーケティング手法を用いて「何かしらのモノ・サービス」の購入and/or消費を促すことが目的と考えています。

 

このいずれかのマインドステージですが、身体的コンプレックスに関わる登場人物は恐らく下記の4つのマインドステージ(「元の自分に戻りたい層」「諦め・迷える層」「そもそも気にしていない層」「コンプレックスを乗り越えた層」)のどれかに属しているケースが殆どであると推定しています。

 

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©松本圭司

 

それぞれの層向けに行われる、あるいは行われている可能性のあるマーケティングアプローチは上図の↑の先に示しています。例えば「元の自分に戻りたい層」向けには主に「逆行マーケティング」が展開されていると考えられます。

 

マーケティングの難易度は、比較的容易な順番に、「逆行→公式美・公式機能→新価値提案→順行」、であると考えています。理由としては、全く未知の新しい価値を受け容れさせるよりも、過去に有していたものを取り返すことが出来る方に人は動かされることが多いからです。

 

今日はこの「逆行マーケティング」についてもう少し詳しくみてみたいと思っています。

 

当事者が元々獲得していた状態、つまり時間を巻き戻す「逆行マーケティング」の王道は至って簡単です。「昔の貴方のほうが素敵です」といった、過去の眩しかった自分を懐古させるコピーに心が引っ張られるとすれば、それだけ効果的なメッセージだとも言えます。

 

頭髪を隠す・増やす系、またはダイエット系のモノ・サービスは高度成長期以降に日本で広がったとされていますが、一貫してこのトーンでのメッセージが発信されてきています。

 

今の自分を受け容れられない状況であればあるほど、このような「昔の貴方に戻りません?」的なワードはグサリと刺さるはずです。逆にこのマーケティングが効かない層は、昔の自分に戻りたいという関心・興味が無い「気にしていない層」が該当します。

 

このマーケティングアプローチのポイントは「何かしらのモノ・サービス」の購入を促すことで、結果としてコンプレックスを感じている当事者に心理的変化が”実際に”発生するかどうかにあります。

 

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身体的コンプレックスのマーケティングアプローチによる羞恥度の変化イメージ©松本圭司

 

例えば、ダイエットに関わるモノ・サービスであれば、結果が出ている、出ていないかがハッキリ分かります。つまり、誤魔化したモノ・サービスでは本人の心理的状況(主に羞恥心)は改善されません。逆に減量が成功した場合の心理的状況は大幅に改善されます。

 

対して、いわゆる頭髪の隠す・増やす系のモノ・サービスは実際に植毛手術を受けるのでなければ、自毛で解決をしていないため、多くの場合「後ろめたさ」や「羞恥心」が完全に払拭される状況にはならないでしょう。

 

つまり、読者の皆さんがご自分の意識として感じているコンプレックスとなる事象を「元の状態に戻したい」と思った場合は無意識に「逆行マーケティング」で提供されるモノ・サービスを探している可能性があります。

 

しかし、そのモノ・サービスを利用することでコンプレックスを感じるために現れる「羞恥心」が払拭できるか、あるいは少なくとも低減できるかどうかを予め見当をつけることで、その購入・消費が本質的な解決に至るのかを見極めることが出来ると考えています。