人類の薄毛との闘いの歴史:20世紀アメリカ(最終回)
久々のこのシリーズ。
今回でとりあえず終わろうかなと思います。
大量消費とハイテクの時代へ突入すると、ハイテクによるソリューションに訴える業者が出てきました。
その代表例がサーモキャップ(Thermocap)なるマシン。1920年代にアライド・メルク(Allied Merke)研究所が開発したものを「忙しい現代人」向けに1日15分だけ、薄くなった箇所を筒の内側から発せられる青い光線で暖め、刺激して生やすことができると大々的にPRしましたが、これも目を見張るような効果はありませんでした。
クローズリー・コーポレーション(Crosley Corporation)という当時のベンチャー企業は、1936年にザーヴァック(Xervac)という機器を開発します。ヘルメットの様に頭にすっぽり覆い被せて頭部を真空状態にして吸い上げるというコンセプトでした。リース製品だったそうで、家庭や理髪店などを顧客にしていました。
ここまでこのシリーズでは、人類が如何にして薄毛に対して闘ってきたかについて様々なリソースを辿って調べてきましたが、ご存知の通り、植毛技術が進んだり、再生医療の進歩により、失われた髪を取り戻せるようになってきているようです。
髪というのは実に面白い存在だと思います。
顔や頭の一部でもあるものの、それ自体が果たす役割は人間の四肢や臓器と比べれば小さい。にもかかわらず、髪型や毛量によって他人からの印象も変わり、それに一生思い悩む人もいることも確かです。
今後もこの「髪」という存在に向き合っていきたいと考えています。